応用社会学特講C「企業研究」の第11回講義が
2010年1月7日(木)13:30より本学422教室で行われました。
講師:野村證券株式会社 野村グループ本部
シニア・コミュニケーション・オフィサー
池上 浩一 氏演題:グローバル化する世界と資本主義の果たす役割
「世界はフラット化した」(応用社会学科教授・土井省悟[経済学])「地球がよく見える。美しい。地球は青い」。1961年4月12日、旧ソ連が打ち上げたボストーク1号に搭乗して、人類最初に大気圏外に飛行し、1時間48分で地球を一周して予定着陸地に帰還したユーリン・ガガーリンが飛行中に地球に送った言葉である。
「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である (That's one small step for [a] man, one giant leap for mankind)」。1969年7月20日、人類で、初めて月面に降り立った。アポロ11号の船長、ニール・アームストロングが地球に送った言葉である。未だに月面に残っている、月着陸船に取り付けられた金属板には、リチャード・ニクソン大統領による署名と共に、「Here men from the planet earth / first set foot upon the Moon / July 1969, A.D. We came in peace for all mankind(西暦1969年7月、我等惑星地球より来たれり。全人類の平和を希求してここに来れり)」と印字されている。
観察と科学技術の進展により我々は我々が住むこの地球を地球外から観察しその姿を知ることが出来た。今も、宇宙船によって、広大な宇宙の探査の旅は続いている。宇宙船から送られてきた情報は我々の世界観や人生観を変貌させてきたし、今後も変化させ続けるであろう。
2005年、トーマス・フリードマンは「我々が眠っている間に、世界はフラット化した。世界は丸くない」と書いた。情報技術(IT)の進展によって地球上の人間の活動が急速に変化していることを世界に起こっている出来事を観察して述べたのである。
地球を駆け巡るもっとも速いものはマネーである、資金である。資金は利益を求めて世界を駆け巡る。投機的な短期資金と同時に長期的な投資資金である。後者は電子的に結ばれた世界の資本市場を通じて動いている。それを仲介する金融機関は、主として証券会社である。証券会社は、宇宙船地球号に乗っている人類がフラット化した世界にあることを敏感に感知する位置にいる。
マネーの移動とそれが引き起こす社会の大変化に、人間の思考、慣習、制度、生活とがついていけない。ここに我々の直面する大きな課題がある。
【松永 英樹 1年】今回の講義で、最初に思ったのが、池上先生が世界各地で活躍されていることが大変印象に残りました。資料も用意して下さり、分かりやすく、DVDの映像でも、凄さが伝わってきました。
投資とは、金儲けではないと言われました。自分の夢を達成してくれる人に夢を託す行為であり、これらを、リスクマネーの供給だと言うことを知りました。
本の紹介もありました。トーマス・フリードマン著『フラット化する世界』、奥田碩著『人間を幸福にする経済』などお勧めしていただきました。興味が持てぜひ読みたいと思いました。
池上先生に質問するつもりでしたが、残念ながら出来ませんでした。しかし、それを忘れさせてくれるぐらい熱いお言葉と迫力のある表現力で、野村証券のすごさと強い責任感を実感するお話でした。
若い世代に期待されているからこそ、自分もその一人だと思って、これから明るい日本が達成できることを願い、何事も挑戦するという気持ちで頑張っていこうと思います。・・・素晴らしいご講義ありがとうございました。
【豊田 伸吾 1年】私は今回、池上先生のお話を聞いて、野村證券さんのイメージが変わり、野村證券という企業に対する興味が湧いて来ました。講義の中で見せて頂いたビデオに映っていた野村證券の社員を見ると、国籍や性別に関係なく働いていました。・・・ビデオの中でChange、World class、Speedの言葉のもとに働いている社員の・・・一人一人の意識のレベルの高さに驚きました。社員一人一人が常に世界トップクラスのサービスを考え、それを実践していこうという意思が・・・ヒシヒシと伝わってきました。
実際、池上先生も、金融ビジネスはとても面白いとおっしゃっており、それを私達に勧めて下さるほど、今の御自分の仕事に自信を持っておられました。やはり、こういう意識が野村證券という企業を作っており、こういう意識があるからこそ野村證券は世界トップクラスの企業なのだと実感できました。
また今回の講義では、いかに今、日本が世界に置いていかれそうになっているのか理解出来ました。日本は今、デフレーションと言っていますが、そんな事を思っているのは、日本だけであり、世界ではもうすでにこの不況を抜けだそうとしているそうです。
また世界の通貨準備の中で、1999年まではドルが1番信用されていましたが、最近ではユーロの比率が伸び、もはやドルだけでない、多通貨時代になっているそうです。しかしその中で円の比重は軽くなっており、素人である私でもこのままでは日本は世界に置いていいていかれる危機感を実感しました。・・・今の世界の中での日本の立ち位置を理解し、いかに世界に目を向けることが大切なのかを教わりました。・・・
【真鍋 翔 1年生】 私は野村証券さんの話を聞いて、今の日本経済が悪くなっているのは、実に私たち日本人自身に問題があることを知りました。なぜなら、今私たちが安いものを買うことが、とりもなおさず、中国やベトナムの経済を良くしているだけであり、しかも、安いものを買うことで、空洞化が生まれ、私たちの就職口さえ無くなるこのような負の連鎖を作っていることを知ったからです。私は自分自身も、そのような安いものを買っていたので、これからのことを考えると本当に恐ろしいことだと思いました。
そして一番勉強になったのは、今の自分たちがしなければならないことです。それは日本から世界を見るのではなく、世界から日本を見ることが大切なのだということです。その話を聞き、世界から日本を眺めると、今私たちが何をしなければならないかが分かるので、今までの見方を変えようと思いました。それだけで、自分自身の行動が今から変わると思ったからです。
さらに、今インドを含め発展途上国の子どもたちは、自分たちが裕福に暮らしたいと意欲を持ち一生懸命勉強している。しかし私たち日本の学生の学力は落ちている。このようなことを聞くと、今私自身のしなければならないことがはっきりと分かった。
【濱田 一馬 1年】 野村證券の池上先生の話は、自分の今まで思い込んでいた常識が覆されるような内容ばかりでした。特にショックが大きかったのが、我々の国日本が近い将来、経済大国ではなくなってしまうということです。そして今まで発展途上国といわれてきた中国やインドが先進国になるというのです。確かによく見てみると、私の身の回りのものの中でもMade in Japanを見ることは少なくなりました。さらに日本は少子化現象が起こっているのに対し、インドでは25歳以下の人口が約5億4000万人もいて、彼らは今必死に勉強をしているそうです。この話を聞き、今の自分の将来が不安になりました。ただでさえ就職難なのに、何カ国語も話せるようなインド人などがこの先ライバルとして出てくるようなら、日本語しか話すことの出来ないような知識の少ない私はどこに行っても通用しなくなるのではと思いました。今、眼中にいれておくべきライバルは、日本国内の人間ではなく、国外の人間であるということに気付かされました。この大学生活中に、せめて高校生レベルの英語くらいは完璧に扱えるようになることを目標にしたいです。
また、「対応性」が大切であるということも学べました。どんな状況でも対応し、適応できる者だけが生き残れる。その通りだと思います。大学では様々な分野のことが学べるため、私はこの能力を十分に養える環境にいます。あまり私には必要のない知識だ、と思っていた授業も、今日の講義を聞いて、意味のあるものだということに気付くことが出来ました。未来を予想した上で現在を見るということを常に頭に入れて、これからの大学生活は行動します。
今回、講義を受けられたおかげで、自分が進むべき目標がはっきりしました。百聞は一見にしかず。今回の講義で貴重なVTRをみせていただき、話を聞かせていただいたことは、私の人生の財産になりそうです。
【岡田 逸 3年】 今回、池上先生の講義を聞いて、100年に一度の経済危機というのが嘘なのだと考えることができました。欧米政府は正しく対応し、経済の最悪期は脱し、今は最悪期にとった経済政策を最悪期前のかたちに戻していくことが大切、つまり出口政策を進めているというのが欧米政府の動きであるのだと言われました。たしかに、欧米の市場は、ほとんど経済危機が起こる前と変わらないほど株価が回復してきたと言われています。特に、中国においては、どんどん株価が上昇しています。
講義の中で、21世紀は、アジアの時代だと言われました。中国、インドは、日本の高度経済成長以上の成長をしています。GDPも日本は中国に抜かれました。いずれ中国は、アメリカも抜いていくとある新聞記事に記されていたので驚きました。日本やアメリカなどの時代は、20世紀で1つの役目を終えたのだと言われました。これからは、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの人口、資源、食料を持つ国が成長していくと教えられました。
私は、日本がこれから世界を牽引していくBRICsなどと仕事をしていくには、日本の先端の科学技術を活用することが重要です。たとえば、安全な水を生み出す技術などは、日本の大きな強みでもあると思います。日本が21世紀生き残っていくためには、池上先生が言われたことを実施していかなければ、人口も少なくなっている日本において明るい未来を築くことはできないと思いました。
【蓮井 雄太 2年生】今回、野村證券株式会社・池上浩一先生の話をうかがい、経済の見方のコツを学べました。私はそれまで、日本経済や不況などを考えるときには国内の情報だけでどうなのかを考えてきました。しかし、池上先生は「日本から世界を見るのではなく世界から日本を見る」。そう講義内で教えられました。この言葉を聞いたときに、私の今までの経済や不況に対する考えがあまりにも狭い考えの上に成り立っていたことに気づきました。・・・日本の経済や不況は、実際、日本だけの問題ではなく世界における日本としての問題であるということを実感しました。そして実に私が、世界の波に乗り遅れつつあることも実感しました。
また話の中でインドの発展について話がありましたがその中で「インド人は勉強などにおいてハングリーな心を持っている」という言葉を聞き、学びにおいて自分がハングリー精神に乏しいことを自覚しました。それこそ私がいつまでたっても成長できない大きな原因だと気づきました。ハングリーな心は、是が非でも前に進もうとする力を生み出しますが、私にはそのような心は持ち合わせていませんでした。・・・しかし今回の講義を聞き、インドの若者が吹きさらしの教室で、しかも雨が降っている中、傘をさしつつ必死に受験勉強をしている姿を見ると、むしろ、今の私が惨めな存在に映りました。インド人があそこまで必死に勉強できるのは、きっと勉強が楽しいか楽しくないとかではなく、前に進もうとする心、決して諦めない心を持っているからだと思います。私にはあそこまで必死に勉強をすることはできないかもしれません。しかし、最初はほんの小さな一歩しか歩めないと思います。さらに豊かな社会におけるさまざまな誘惑に負けてしまうかもしれません。それでも、私なりに少しずつ前に進んでいくことを始めようかと思います。少なくとも前に進もうとする心だけは持ち続けたいと思います。インドの学生が持っているような情熱、それだけは私も持ち続けたいです。同じ人間、インドの人々に出来て、日本人の私が出来ない訳が無いはずですから。
【濱田 弘一 3年生】今回、野村證券株式会社の池上先生の講義を聴くことができ、今までの自分の視野の狭さに痛感しました。・・・池上先生の講義の中で「日本から世界を見るのではなく世界から日本を見なければならない」、そして「現在から未来を見るのではなく,未来から現在を見なければならない」と話されていました。始め私はその言葉の意味は分かっても、奥底の深い意味までは理解していませんでした。そして,現在の世界の情勢・発展途上国の様子を目の当たりにすると、このままでは今の日本が世界の荒波に沈んでいくのは時間の問題だと強く感じました。他国には資源が豊富にあるオーストラリア・ブラジル・アフリカ…。そして,十分な生活環境が整っていなくとも,目を輝かして勉強に打ち込むバングラディッシュなどの途上国の子ども達。世界でトップクラスの頭脳を持つインドというハングリーな世界の国々に対して、まだ今の日本人は頭の中では高度経済成長のままあり続け、「今のままでもどうにかなる」、「苦しくなっても誰かが助けてくれる」、「なんとか生活できる」という安易な気持ちで、戦争もない平和な国で生きています。世界の荒波も知らずに。しかも、政治に関しても経済の世界でも荒波がすぐそこまで来ているのに、目先の事だけしか考えていません。このままだと、日本が経済面で下に見ていた国々が着実に土台を積み重ねていき、いずれは日本を大きい口で飲み込んでしまいます。
そういった話を聞いた瞬間、世界から見て日本がどういう位置にいるのかよく分かりました。つまり,日本人は日本からしか世界を見ていないのです。そして,最後に池上先生は「勉強をしなさい」と強く私たちに投げかけました。「このままだと、目の前に転がってきたチャンスさえも見逃してしまう」と。
【向後 明博 4年生】講義開始早々に、池上先生が「今、日本政府はデフレ宣言を行い、マスコミはデフレ、デフレと煽っているが、世界の投資家でデフレと考えている人はいない・・・」とおっしゃられ、ビックリしました。 また、「百年に一度の大不況というが、そんなことはない」とすら言われました。果たして、世界の投資家の言うことが本当なのかどうか、私には簡単に判断できません。しかし、頭の中に、「テレビや政治家が言うことに対し、全てを鵜呑みにするわけではなく、自分で『判断できる力』を身に付ける必要がある」ということが残りました。
「グローバル化の進展-変動する通貨価値」に関して、資料によれば 世界の外貨準備の通貨別シェアで、以下のようです。
1999年 2007年
米ドル 71% 64%↓
英ポンド 3% 5%↑
日本円 6% 3%↓
ユーロ 18% 26%↑
その他 2% 2%→
外貨準備の通貨別シェアで、日本円が減少していることはとても深刻な問題だと思います。通貨に対する信用の欠落、日本国内の財政不安、国力の低下などが大きく影響していると思います。また、21世紀は「米ドルの時代」と言われていたのに、2007年には米ドルのシェアが7%も減少していて、新たな時代の幕開けを感じました。この表に2015年のカテゴリーを書き込むなら、日本円はその他に組み込まれ、人民元が新たに入ってくるのは間違いないと思います。
「世界経済の発展段階・新興国における所得1万ドル以上の世帯数の予測」では、2008年時点では新興国7ヶ国合計1億1890万世帯だったのが、2020年予測では合計5億2050万世帯という予測データには背筋がゾッとしました。それは、「これからどのくらいの人がテレビ・車とかを買うのだろうか?!・・・この波に乗り遅れたら、海外進出を計画する企業にとっては致命的だ」と実感しました。
まとめとして、これから近い将来、文化経済の発信がアメリカやヨーロッパから、アジアに移る可能性を大いに感じました。ただ、経済成長率、株価、高等教育を受ける子どもの数の増加、賃金、人口、GDPなどは数字で表すことができ、明らかに世界の近未来を想像できます。これは経済面の成長であり、各国の人の心までは表していません。大学で講義を受けていると、「日本が豊かになり、○○○という古き良き日本の伝統を忘れては無いだろうか」とか、・・・家族のあり方が変わったと聞きます。
また、格差が今以上に広がり、インフラ・福祉・医療制度が整っていない国の成長は、弱者が見捨てられ、社会に歪みを生むことになると思います。冒頭にも書きましたが、・・・最先端の話を聞くときは、全てを鵜呑みにしないことと、聞いた話を「確信」に変えられるような知識を身に付ける事が、日進月歩な今の世を生きていく上でとても大切だと改めて感じました。